ホテル日航アリビラ

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1月 couple U
11

二人で分けた、あの青い温度

「ねえ、本当に外に出る?」 君が厚手のカーディガンを肩にかけながら、少しだけ迷ったように僕を見た。 「少しだけ。空気が心地よさそうだから」 僕はそう答えて、バルコニーへと続く重い扉に手をかけた。カチリと鍵が外れる小さな音が、静まり返った室内…

1月 family U
37

白いサンダルの音が、波に溶けるまで

一月の沖縄の朝は、空気がひんやりと澄み渡り、深く呼吸をするたびに肺の奥まで浄化されるような心地がする。スーペリアオーシャンパティオツインのバルコニーに足を踏み出すと、手すりの金属が指先に冷たく触れ、そこから潮の香りがゆっくりと、けれど確実に…

1月 friends U
16

まぶたの裏に残った、あの青い色

ポリエチレンの袋が擦れる乾いた音が、静まり返った廊下に小さく、けれど鮮明に響いていた。1月の読谷村の夜風は、冷たいというよりは、肌を撫でる指先が少しだけ冷えているような、そんな曖昧な温度を帯びている。私たちはホテル日航アリビラの白い壁の間を…

4月 family U
15

白い壁に反射した、小さな手のひらの記憶

ひんやりとした、清潔な白いタイルの温度が足裏から伝わってくる。ホテル日航アリビラのレストランに足を踏み入れると、スパニッシュコロニアル様式の高い天井から降り注ぐ柔らかな陽光が、テーブルに置かれた水のグラスを通り抜け、白いクロスの上に小さな虹…

5月 couple U
17

白いカーテンが、ゆっくりと呼吸をしていた

もし、あなたが今、この部屋を予約しようか迷っているのなら。あるいは、誰かと一緒にどこかへ行きたいけれど、何を話せばいいのか分からなくて立ち止まっているのなら。この手紙のような記録が、あなたの指先を少しだけ動かす理由になればいいなと思います。…

6月 family U
13

濡れたサンダルの跡と、名前のない笑い声

ロビーに足を踏み入れた瞬間、沖縄特有の、肌にまとわりつくような熱い湿気と、どこか懐かしい潮の香りが一気に鼻をくすぐった。床に転がるスーツケースのキャスターが、高い天井に反響してカチカチと不規則なパーカッションを刻んでいる。チェックインを待つ…

8月 couple U
16

グラスの中で氷が溶けるのを、ただ見ていた

チェックインを済ませ、スーペリアオーシャンパティオツインの重い扉を開けた瞬間、まず耳に届いたのは、低く一定に鳴り続けるエアコンのハム音だった。外の、肌にまとわりつくような八月の湿った熱気が、分厚いガラス一枚で完全に遮断されている。その境界線…

10月 couple U
16

部屋に漏れ出していた、波の呼吸

足の裏に触れる白いタイルの、焼けるような熱。それが、ホテル日航アリビラに足を踏み入れた瞬間に刻まれた、最初の記憶だ。十月の沖縄は、まだ夏を名残惜しそうに抱きしめていた。視界に飛び込んでくるのは、眩いほどの白い壁。南欧の風を纏ったスパニッシュ…

10月 family U
12

濡れたサンダルが床に落ちる、心地よい音

家族で旅をするということは、個々の異なる周波数を無理やり一つの曲にまとめ上げるような、ひどく不器用な作業だ。誰か一人が不機嫌になれば、その不協和音は瞬時に空間全体へ伝播し、心地よいはずの旅路を緊張感で塗りつぶしてしまう。けれど、ホテル日航ア…

10月 friends U
21

氷が溶けるまで、どこへ行くか決められなかった

計画通りに進んだことは皆無だったが、それが正解だった。コスプレは完全な冗談に終わったし、読書はただの昼寝になった。けれど、一番価値があったのは、バルコニーで氷が溶ける音を聞きながら「私たち、本当に大人になれるのかな」と、答えのない問いを海に…