← 戻る 福容大飯店 花蓮

カーテンを閉めたとき、部屋が深い青に染まった

カーテンを閉めたとき、部屋が深い青に染まった

指先に触れるリネンのひんやりとした質感と、どこか遠くで鳴っているエアコンの低いハム音。7月の花蓮は、空気が水分をたっぷりと含んでいて、肌に薄い膜を張ったような重さがある。私たちは、そんな湿り気を帯びた街を歩いて、福容大飯店 花蓮に辿り着いた。ロビーに足を踏み入れた瞬間、外の熱気が嘘のように消え、冷たい空気が肺の奥まで満たされる。かすかに漂うフレッシュな花の香りが、火照った意識を静かに鎮めていく。その温度の差に、ふっと肩の力が抜けるのがわかった。君は何も言わずに私の手を握ったけれど、その手のひらも少しだけ汗ばんでいた。現代的な設備が整った客室のドアを開け、窓の外に広がる太平洋を見たとき、私たちはしばらくの間、ただ黙っていた。そこにあるのは、深いコバルトブルーから淡いターコイズへと移ろう、圧倒的な青のグラデーションだった。午前6時の光が部屋に差し込むと、壁も床もすべてが透き通るような水色に染まり、自分がどこまでで、どこからが部屋の境界なのか分からなくなる。そんな心地よい喪失感に陥る。ベッドからバスルームまで、裸足で歩くタイルのひんやりとした温度が心地よく、その数歩の距離さえも、人生における贅沢な空白の時間のように感じられた。私たちは、あえて計画を立てなかった。ただ、その日の気分に合わせて、身体が動く方向へ歩いた。ある日の午後は、ホテルの屋上にあるプールへ向かった。水面に指先を浸すと、体温がゆっくりと奪われていく。プールの縁に寄りかかると、目の前の水面がそのまま水平線へと溶け込んでいて、まるで世界に境界線なんて存在しないみたいだという気がした。頬を撫でる風はわずかに塩気を帯びていて、遠くで聞こえる波の音が、心拍数をゆっくりと落としていく。君が隣で「水がちょうどいい」と小さく呟いたとき、私たちの間にある、名付けようのない不安や迷いも、一緒に水に溶けて消えていったのかもしれない。もしかすると、私たちはずっと、正解を探しすぎて疲れていたのかもしれない。でも、ここでは正解なんて必要なくて、ただこの温度を共有していればいいのだと思えた。街へ出たとき、偶然見つけた店で食べた紅油抄手の、舌を刺すようなピリッとした辛さと、もちもちとした皮の食感。立ち上る香ばしいごま油の香りと、湯気に包まれた君の上気した顔。それを口にしたとき、あまりの熱さに君が小さく飛び上がった。私はそれを写真に収めようとしたけれど、指が滑って、君の鼻の穴が大きく写ったアップの写真になってしまった。君は不機嫌そうな顔をしながらも、どこか嬉しそうに笑っていた。そんな、誰にも見せることのない、ちっぽけな瞬間こそが、この旅の本当の輪郭だったのだと思う。夜、バルコニーに出ると、台風が近づいているせいか、海面が不気味なほど静まり返っていた。冷たい金属の手すりに触れると、指先から夜の静寂が流れ込んでくる。嵐の前の深呼吸のような、濃密な沈黙。私たちは、互いの呼吸の音だけを聞きながら、夜の闇に溶け込む波の音に耳を澄ませた。孤独というのは、取り除くべき問題ではなく、もともと身体の一部として持っている臓器のようなものだ。けれど、隣に誰かがいて、その孤独を共有できていると感じるとき、それはとても温かい、心地よい重みになる。福容大飯店 花蓮で過ごした時間は、私たちに何かを解決させてくれたわけではない。ただ、今のままでもいいのだと、視点をわずか1度だけずらして見せてくれた。チェックアウトの日、エレベーターのボタンを押す指先に、まだあの青い光の残像が張り付いている気がした。私たちは、またいつか、この不確かな静寂に会いに来ようと、約束しなかった約束を交わした。

  • 早朝6時の海景房で、世界が静かに青く染まっていく瞬間をただ眺めて過ごしてほしい
  • 屋上のインフィニティプールの縁で、水平線と自分自身の境界線が消える感覚を味わってほしい

近くのグルメ・スポット

来成排骨麺

來成排骨麺は花蓮市中正路にある1948年創業の老舗小吃店で、独特の排骨酥(リブスーの唐揚げ蒸し)とコラーゲンたっぷりの豚足が看板です。排骨酥は揚げてから蒸すことで外はカリッとし、甘辛クリアなスープと合わさり、豚足はプリプリとした弾力ある食感。この二品を合わせた組み合わせは、地元の食通や観光客が必ず頼む定番メニューです。店内では内用席とチャイルドシートを用意。2025年に移転して駐車が便利になり、家族や友人との会食に最適です。

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公正包子

公正包子は花蓮市の老舗小吃店で、厚めの甘みある皮が特徴の小籠包で有名です。1個約5台湾ドルで、手作り調味の豚肉餡を包み、パンチが欲しい方は自家製唐辛子ソースを。小籠包以外にも蒸餃、湯包、肉羹麺、酸辣麺、貢丸湯、アイス豆乳、紅茶を取り揃え。2023年末に仁愛街と成功街の角へ移転し、人気の「廟口紅茶」の向かいに。小さな店構えですが地元民と観光客の長蛇の列が絶えず、花蓮に来たら外せない必食スポットです。

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公正街包子店

公正街包子店は花蓮市街の40年以上続く老舗小吃で、厚皮の小籠包と蒸餃が看板です。生地は手で延ばして柔らかくモチモチ、ほんのり甘く、シンプルな味付けの肉汁あふれる豚餡を包みます。蒸餃、湯餃、肉羹麺、酸辣麺、貢丸湯、アイス豆乳、紅茶なども提供。2023年末の移転後も人気は健在で、行列は減りましたが花蓮の必食小吃として外せません。価格も手頃で、小籠包は1個約5〜7台湾ドル、気軽に食べられる手軽さが魅力です。

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周家蒸餃

周家蒸餃小籠包は花蓮市の公正街にある老舗で、50年近くにわたりその場で包んで蒸す蒸餃と小籠包が看板です。3種類の蒸餃、手作り小籠包、酸辣湯、肉羹湯、ルーロー飯など多彩なメニューを取り揃え、24時間営業。朝食、ランチ、ディナー、夜食とどんな時間でも利用できます。蒸餃は10個で約30台湾ドル、小籠包は10個で約40台湾ドルと手頃で味も鮮やか。長蛇の列が日常で、地元民と観光客双方の必訪グルメスポットです。

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