← 戻る Nanki-Shirahama Marriott Hotel

波の音と祭りの賑わいの狭間で

靴の裏の砂が、足の指に食い込む。
白浜駅からの道は、予想以上に長かった。



「白良浜まであと10分って、 google mapっていつも嘘つくよな」
Aがスマホを睨みつけながら呟く。
Bが「だって、曲がり角多いじゃん」とフォロー。
私は「 anyway、暑い。水分補給しないと倒れる」とタオルを額に当てる。

海の匂いが、だんだん濃くなってきた。


氷が溶けた麦茶が、喉を通るたびに体の隅々まで冷やしてくれる。

白浜の夏は、砂浜の温度が38度を超えるらしい。

「暑すぎて、海に飛び込まないと死ぬ」
Bが叫ぶと同時に、Aが「俺は溺れる」と海にダイブ。


「おい、お前ら、海パン持ってきてないだろ?」 Aが湿ったTシャツを引っ張りながら聞く。 Bと私は顔を見合わせ、同時に「忘れた」と答えた。

「ま、いいか。裸で海に入るのは、逆にインスタ映えするし」
Aが真顔で言う。


真っ黒に焼けた肌に、花火の光が反射する。

三段壁の近くで行われた花火大会は、思っていたよりも迫力があった。

「俺たち、来年も絶対来ような」
Bが忽然言った。
Aが「来年?今年もまだ終わってないぞ」と指摘。


ホテルに戻ったのは、真夜中を過ぎていた。

足音が廊下のカーペットに吸い込まれていく。

「疲れた。明日は盆踊りでも見て、ご飯食べて、すぐ寝よう」
Bがベッドに倒れ込みながら言う。


シャワーの水が、首筋を伝う。

今日一日の汗と海水と、砂と、花火の煙が、一気に流れ落ちていく。

「明日の朝、起きたら、体が軽くなってる気がする」
Aが洗面台の鏡越しに呟く。


波の音が、聞こえる距離にいながら。

南紀白浜マリオットホテルのバルコニーで、椅子に座り、夜空を見上げる。

祭りの賑わいが、遠くで聞こえる。

でも、この空間は、波の音だけが響く。

  • 白良浜の夕陽を、カクテルと一緒に楽しむ
  • 盆踊りの輪に飛び込んで、夏の記憶を刻む