← 戻る Grand Mercure Nasu Highlands Resort & Spa

指先に残った、冬の冷たい匂い

指先に残った、冬の冷たい匂い

ホテルのドアノブに触れた瞬間、指先に伝わった金属の鋭い冷たさ。それが今回の旅の幕開けだった。グランドメルキュール那須ハイランドリゾート&スパのロビーに足を踏み入れると、外の凍てつく空気とは対照的な、どこか甘いバニラのような香りと、包み込むように柔らかな黄金色の照明が私たちを迎えてくれた。まるで冬の森から温室に迷い込んだような心地よさに、「あ、今回は全部任せて大丈夫そう」という根拠のない安心感が広がった。けれど、私たちというチームの特性上、物事がそのままスムーズに運ぶはずがない。ふふっ、そう思うのはいつものことだ。

那須の冬を遊び尽くした「検証リスト」

早朝の屋上テラスで「誰が一番長く静寂に耐えられるか」を競う
氷のように冷たい空気が肌を刺し、吐き出す息が白く濁って視界を遮る。誰が先に「寒い!」と口にするかという賭けをしたけれど、結果は惨敗。3分経たないうちに全員がガタガタと震え出し、勝敗を決める間もなく逃げるように室内へ戻った。けれど、あの瞬間に見た、冬の朝の澄み切った空気の青さは、今でも指先に冷たく残っている。

屋外岩風呂で「快感と限界の境界線」を1度単位で検証する
ゴツゴツとした岩の質感に身を委ね、肌がじんわりと赤くなるまでお湯に浸かった。心地よさが快感に変わり、それが「あ、ちょっと熱すぎる」に変わるその刹那の境界線を探る作業。誰かが「もう限界!」と叫んで湯から飛び出したとき、私たちは全員で大笑いした。お湯の重みが体にまとわりつき、心臓の鼓動がゆっくりと耳に届く感覚。あの温度こそが、冬の正解だった。

ハイランドパークまでの道中で「冬の音色」を採集する
凍った地面を踏みしめるたびに響く「サクッ」という乾いた音。針葉樹の隙間を風が抜けていくときの、細い笛のような音。歩くたびに足裏から伝わる硬い感触を楽しみながら、誰が一番面白い音を見つけられるか競い合った。結局、一番の当たりは、誰かが転びそうになって出した情けない叫び声だったけれど。不意に聞こえてきた鳥の声が、冷たい空気を切り裂いて心地よかった。

ラウンジの特等席で「究極のダラダラ」を追求する
ふかふかのソファに深く沈み込み、誰が一番「何もしていないか」を競い合った。那須の濃厚なミルクがたっぷり入ったコーヒーの香りに包まれながら、ただぼーっと外の景色を眺める。正直、計画していた観光スポットの半分も回れなかったけれど、「この贅沢な空白こそが旅の目的だった」ことにした。心地よい静寂の中で、誰かが小さく欠伸をした音が、とても贅沢に聞こえた。

今回の旅のスコアボード

結果から言えば、私たちの計画はほぼ全滅。でも、不思議と誰もそれを後悔していない。一番価値があったのは、Superior Twinの広々とした部屋で、誰がどこに寝るかで揉めたこと。笑い声が部屋の隅々まで反響し、まるで小さな子供に戻ったような感覚になった。一方、早起きして完璧な写真を撮ろうとした計画は、全員の猛烈な寝坊によって完全にジョークと化した。けれど、その「予定通りにいかない心地よさ」が、このホテルの柔らかな質感と完璧にシンクロしていた。結局、一番のハイライトは、夜中にひそひそ話しながら食べた地元のスイーツが、舌の上でゆっくりと溶ける甘さだった。私たちは正解を探す旅ではなく、心地よい間違いを共有する旅をしていたのだ。

窓の外では、冬の夜風が静かに建物を撫で、深い眠りへと誘っている。

  • 部屋の中で一番心地よい光が差し込む場所を探し、10分間だけ目を閉じて静寂に浸ってみて。
  • メニューの中で一番「自分らしくない」料理をあえて選び、その意外な味について語り合うのがおすすめ。