那須温泉 山楽

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1月 couple U
21

指先がじんわりと熱くなるまでの時間

浴衣の襟元から忍び込む冬の冷気が、首筋に薄く張り付いて心地よい緊張感を生んでいる。那須温泉 山楽のラウンジに身を置き、私たちはどちらからともなく、目の前に広がる日本庭園を眺めていた。1月の空気は鋭く、吐き出す息が白く濁って、視界の端で小さく…

1月 friends U
12

大正時代の部屋に、コンビニの唐揚げの匂いが混ざった夜

指先がかすかに痺れている。源泉かけ流しの露天風呂から上がった直後、肌を刺すような冬の冷気が、火照った身体を急激に奪い去ったせいだろう。那須温泉 山楽の廊下を歩けば、使い込まれた木材が小さく、けれど確かなリズムで鳴る。私たちはつい先ほどまで、…

2月 family U
39

浴衣の袖が長すぎて、指先が見えなかった

ざらりとした浴衣の生地が、子供の小さな肩からずり落ちそうになっている。新調したばかりの糊の香りがかすかに漂う。下の子が「お袖が長すぎて、手がどこにあるかわからないよ!」と笑いながら、大きな袖をひらひらと振っていた。廊下を走るたびに、畳を叩く…

4月 couple U
13

呼吸の速さが、ゆっくりと重なっていく場所

指先が触れるとき、まだ少しだけ震えていた。4月の那須は、冬が名残惜しそうに冷たい空気にしがみついている。那須温泉 山楽の重厚な門をくぐったとき、肺の奥まで深く入り込んできたのは、春を待つ湿った土の匂いと、どこか遠くで咲き始めた桜の、淡いけれ…

4月 family U
46

薄藍色の朝に、誰の言葉も必要なかった

四月の那須は、空気の密度が少しだけ緩んでいるように感じられる。早朝の光は、まるで薄いブルーの紗を幾重にも重ねたように降り注ぎ、障子越しに揺れる桜の影が、畳の上にぼんやりとした水彩画のように描かれていた。子供たちはまだ深い眠りの底にいて、その…

5月 friends U
21

浴衣の袖が擦れる音と、誰かの笑い声

5年後の私たちへ。あの時、那須の澄んだ空気の中で一緒に笑い転げた記憶は残っているかな。誰が一番に寝落ちしたか、誰が帯を締めすぎて苦しそうだったか。そんな些細で愛おしい断片が、今も指先に心地よい温もりとして残っている気がします。…

6月 couple U
22

雨の青さと、指先の温度

指先に触れる空気は、高原特有の湿り気を帯びてひんやりとしていた。那須温泉 山楽の半露天風呂付特別和洋室「ふよう」に足を踏み入れた瞬間、耳に飛び込んできたのは、軒先から滴る雨が石畳を叩く不規則で心地よいリズムだった。そのまま湯船に身を沈めると…

6月 family U
39

子供の袖が、雨でしっとりと濡れていた

入り口のたたきで、次男が小さな水たまりを見つけて、それを飛び越えようとして失敗した。ベージュのTシャツの袖が、じゅわっと濃い茶色に染まる。母親が「あーあ」と嘆きながらタオルで拭うけれど、本人はそれが心地よいのか、くすくす笑っている。雨上がり…

8月 friends U
31

氷が溶ける音と、誰かの笑い声だけが聞こえていた

浴衣の帯との絶望的な戦い 「ねえ、これどうやって結ぶの?」と誰かが情けない声を上げた瞬間、静まり返っていた部屋に笑いが弾けた。誰が一番早く着替えられるか賭けたはずが、結果は全員完敗。もどかしいほどに格闘する友人たちの背中を眺めながら、私たち…

10月 couple U
22

湯気の向こう側で、君が小さく笑った

冷えたワイングラスの表面に、小さな水滴が集まってはゆっくりと滑り落ちていく。その速度をぼーっと眺めていた。那須温泉 山楽のラウンジは、外の冷たい空気を遮断して、心地よい静寂に包まれている。16時から18時までのドリンクサービス。私たちはどち…

10月 family U
22

畳の上を滑る浴衣の裾と、小さな足音

白く濁った湯気のカーテン 那須温泉 山楽の入り口に足を踏み入れた瞬間、しっとりとした湿り気が肌にまとわりつき、日常の境界線がふわりと消えていくのを感じた。源泉かけ流しの湯から立ち上る、かすかに硫黄が混じった温かな空気は、まるで世界を優しく包…

11月 friends U
30

湯気に消えた、くだらない言い争いの記憶

5年後の私たちへ。あの冬、那須の凍てつく空気に肺を震わせ、誰が一番先に温泉に飛び込むか賭けていたね。鼻腔をくすぐる硫黄の香りと、冷たい風に赤くなった耳。あの不格好な競争の記憶が、今のあなたたちの中にまだ静かに息づいていることを願っています。…