← 戻る ダイワロイネットホテル 名古屋駅前

ネオンを遮る、厚いカーテンの音

ネオンを遮る、厚いカーテンの音

喧騒を脱ぎ捨てた、二つの静寂

9月の名古屋。駅の改札を出た瞬間、肌にまとわりつくような湿った熱気に、肺の奥まで飽和しそうだった。耳を打つ電車の走行音と、急ぎ足の人々の喧騒。そんな混沌から逃れるように足を踏み入れたダイワロイネットホテル 名古屋駅前のロビーは、まるで別世界だった。ひんやりとした空気が火照った肌を優しくなで、丁寧に濾過された月光のように柔らかい照明が、昂ぶった心を静めていく。部屋に入り、重厚な遮光カーテンを引いたとき、外の世界のノイズがふっと途絶えた。そこにあったのは、誰にも邪魔されない、心地よい温度だけの空白。旅の本当の目的は、この静謐な繭のような場所を見つけることだったのかもしれない。

「あっちじゃないか」とあいつが言い出したとき、私たちはもう三回同じ角を曲がっていた。名駅地下街サンロードの極彩色な看板に目を奪われ、目的地を忘れて彷徨う快感。ようやく辿り着いたロビーの清潔な光に、私たちは顔を見合わせて小さく笑った。スタッフの方の淀みのない所作が、心地よいリズムを刻んでいる。ドアを開けた瞬間、ふわりと漂った洗い立てのリネンの香りと、コンフォートダブルのベッドが放つ圧倒的な白さ。荷物を床に放り出したときの鈍い音さえも、旅の句読点のように心地よかった。外では名古屋の夜が騒がしく呼吸していたけれど、この部屋の中だけは、私たちの時間だけがゆっくりと溶けていた。

赤味噌の記憶、二つの温度

鼻腔を突き抜ける、赤味噌の濃密な香り。サクッとした衣の快い音に続き、舌の上でどっしりと居座る深いコクは、一日中歩き回って疲れ切った体に、心地よい重みとして染み渡った。隣では友人が「濃すぎるよ」と笑いながら、白ご飯を口いっぱいに頬張っている。店内に満ちる活気ある喧騒さえも、料理の味を引き立てる最高のBGMに聞こえた。最後の一口を飲み込んだとき、胃のあたりからじんわりと熱が広がり、強張っていた肩の力がふっと抜けていく。名古屋という街の、飾らない強さと情熱がそのまま味になっていた。それは、旅人の孤独を埋めてくれるような、力強い抱擁に似た味だった。

記憶に刻まれているのは、味よりも、あいつのひどく滑稽な顔だ。味噌カツのタレが少しだけ頬についていることに気づき、それを指摘しようとした瞬間、あいつが最高に幸せそうな顔で笑った。立ち上る湯気で眼鏡が真っ白に曇り、前が見えないままに箸を動かしていたあの光景。私たちは、美味しいものを前にしたときだけ、不思議と鎧を脱いで素直になれる。店を出て、夜の涼風に当たったとき、口の中に残った味噌の余韻と、夜風に混じってかすかに漂う甘辛い香りが、心地よい充足感として記憶に定着した。味の正解なんてどうでもいい。ただ一緒に笑いながら、同じ時間を食べたという事実だけが、何よりも大切に思えた。

私たちが唯一、口を揃えて同意したこと

結局、この旅で唯一、私たちが口を揃えて同意したのは、ダイワロイネットホテル 名古屋駅前のベッドに潜り込んだ瞬間の快感だった。肌に触れるシーツのひんやりとした質感と、体を包み込むマットレスの絶妙な弾力。それは、都会の喧騒に疲れた心を優しく受け止める、深い海のような安心感だった。窓の外では車のライトが川のように流れているが、ここだけは時間が止まったかのような錯覚に陥る。深夜三時、誰かが小さくあくびをした音だけが部屋に響き、私たちは言葉を交わさずとも、心地よい疲労感に浸っていた。最高の贅沢とは、何もしなくていい時間を、信頼できる誰かと共有することなのだ。

夜を閉じ込める壁の向こう側で、名古屋の街が静かに眠りにつくのを待っていた。

  • 名古屋駅からの徒歩5分という距離を、あえてゆっくり歩いて街の呼吸を感じてみるのがおすすめ。
  • コンフォートダブルの部屋で、外の喧騒を完全にシャットアウトして、深く眠る時間を確保してほしい。