指先が白くなるほどの冷気。名古屋駅に降り立った瞬間、肺の奥まで凍りつくような感覚があった。私たちは、この寒さの中で誰が一番先に「無理」と言うか、密かに賭けていた。「絶対私じゃないから」と強気に言い放ったリーダーが、真っ先に肩をすくめて震え出したとき、私たちは同時に吹き出した。真っ白な画用紙に墨を落としたときのように、静まり返った冬の街に、自分たちの騒がしさをゆっくりと滲ませていった。
名古屋の冬に私たちが挑んだ4つの作戦
「最短ルートで熱田神宮へ」作戦
結果:大失敗。地図を見るのが面倒になり「なんとなくこっち」と進んだ結果、迷路のような路地裏に迷い込んだ。けれど、そこで偶然見つけた店で啜った味噌煮込みうどんの、鼻をくすぐる濃厚な香りと、白く曇った眼鏡の向こうに見えるぼんやりとした景色が、なんだか心地よかった。神様に願うことよりも、今の温かさに感謝することの方が先になっていた気がする。
「午前6時の完璧な光」を撮る作戦
結果:完全なる敗北。ダイワロイネットホテル 名古屋駅前のデラックスコーナーツインのベッドは、想像以上に心地よい繭のようだった。パリッとしたリネンの冷たさと、それを包み込む布団のずっしりとした重みに身を任せていると、外の光なんてどうでもよくなった。「あと5分だけ」という甘い囁きに全員が屈し、目が覚めたのは太陽が完全に昇りきった10時。誰一人として文句を言わなかったのが、この作戦の唯一の成功点だ。
「ホテル内での完全なる静寂」維持作戦
結果:開始3分で崩壊。機能的で静謐な廊下を、忍者のように音を立てずに部屋に入ろうと試みた。けれど、誰かが靴下で滑って「キュッ」と派手な音を立てた瞬間、我慢していた笑いが爆発した。壁一枚向こうに誰かがいるかもしれないという緊張感が、かえって私たちの笑い声を鋭く、愉快なものにした。静寂を壊す快感というのは、こういうことなのだろう。
「サンロードを地図なしで攻略」作戦
結果:予想外の収穫。名駅地下街サンロードの、どこまでも続くタイルの冷たさと、行き交う人々の足音のリズムに身を任せた。方向感覚を失い、同じ店を三回通り過ぎたあたりで、私たちは自分たちの方向音痴ぶりに絶望し、同時に爆笑した。結局、お目当ての店は見つからなかったけれど、たまたま立ち寄った店で買った、少し甘すぎるお菓子が、冷え切った体にじわりと染み渡った。
旅のスコアボード
一番価値があったのは、計画通りにいかなかったすべての時間だった。早起きに失敗し、道に迷い、そしてダイワロイネットホテル 名古屋駅前のレストランで温かい食事を囲みながら、「明日こそは」と根拠のない約束を交わしたこと。一番の冗談は、私たちが「効率的な旅」を計画していたこと自体だろう。けれど、その効率のなさが、結果的にこの旅を一番「私たちらしい」ものにしてくれた。清潔で上品な空間に、私たちのぐちゃぐちゃな笑い声が溶け込んでいく感覚。それは、まるで水に溶ける塩のように、自然で、不可欠なプロセスだった。
窓の外で、誰かが小さくあくびをした音が聞こえた気がした。
- 誰が一番に迷子になるか、あえて地図を捨てて賭けてみてほしい。
- 1月の名古屋の冷たい風に当たった後、ホテルの温かいシャワーに身を任せる瞬間を大切に。