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テレビの青い光と、濡れたスニーカーの匂い

テレビの青い光と、濡れたスニーカーの匂い

プラットホームに漂う錆びた鉄の匂いと、頬を撫でる少し冷たい風。電車のブレーキが軋む高い音が耳に残っている。僕らは目的地に着いたという実感よりも先に、重いスーツケースを引く腕の疲れを共有していた。駅を出てすぐ、目の前に現れたのは、まるで山をそのまま削り出したような不思議な質感の建物だった。承億文旅 承億文旅 花蓮山知道。そこが僕らの、数日間の拠点になる。都会の喧騒を離れ、石と緑に囲まれたこの場所で、僕らは何を失い、何を取り戻すのだろうか。

予定調和を心地よく裏切った5つの記憶

色とりどりのプラスチックに指をかける
ロビーに入った瞬間、視界に飛び込んできたのは3メートルのカラフルなクライミングウォールだった。まるで巨大なキャンディを壁に貼り付けたような光景に、僕らの好奇心は一気に点火した。誰が一番早く登れるかという、大人の旅には全く不必要な賭けが始まり、ゴム底の靴が壁を捉える鈍い音が響く。結果、一番年上の彼が途中で足が滑り、情けない声を出しながらゆっくりと降りてきた瞬間、僕らの間にあった「大人の旅」という建前が、プリズムを通した光のようにバラバラに分解され、ただの純粋な笑い声に変わった。

重力に身を任せるシーツの温度
太魯閣の険しい道を歩き尽くし、泥だらけのスニーカーを脱ぎ捨てて「台湾白」の客室のベッドにダイブした時の感覚は忘れられない。幅200センチという贅沢な広さのベッドに包まれ、肌に触れるリネンの冷たさが、火照った体にじわじわと染み込んでいく。部屋の隅まで届く深い静寂の中で、自分の心拍数だけが少しずつゆっくりになるのが分かった。「ここなら誰にも邪魔されない」という安心感の重みが、心地よい繭のように僕を包み込んでいた。

湯気の向こう側にある朝の喧騒
朝食会場で、自分で煮る麺の湯気が眼鏡を白く染める。隣では友人が、中式のおかずを山盛りにした皿を前に「これ、全部食べきれると思う?」と根拠のない自信を披露していた。醤油と出汁の香りが混ざり合う空間で、箸が皿に当たるカチャカチャというリズムが、心地よいBGMのように響く。豪華な設備よりも、その適当で賑やかな食卓の温度こそが、この旅における正解だったのかもしれない。

青い光に照らされた深夜の作戦会議
8階のXboxルーム。外は10月の静かな夜なのに、部屋の中だけはデジタルな青い光が点滅し、空気が張り詰めている。コントローラーを握る手のひらが少し湿り、勝ち負けなんてどうでもいいはずなのに、「負けた方が明日の朝のコーヒー代を出す」というルールを決めた途端、全員が異常な集中力を発揮し始めた。画面の中の激しい動きと、現実の静まり返った廊下のコントラストが、妙にシュールで、僕らの絆をより密接に結びつけていた。

足裏で感じる石の記憶
ロビーのカウンターが、太魯閣の花崗岩のようにゴツゴツとしている。指先で触れると、冷たくて硬い、地球の長い時間が凝縮されているような感触がした。天井に描かれた波のようなデザインを見上げながら、僕らは次の目的地について言い合いを始めた。誰一人として正解を持っていないけれど、その不確かさが、旅を冒険に変えてくれる。迷子になることこそが、僕らの本当の目的だったのだと、石の冷たさが教えてくれた気がした。

これらの断片が積み重なって

結局、旅の記憶というのは、有名な観光地の写真よりも、こういうどうでもいい瞬間の集積でできている。承億文旅 承億文旅 花蓮山知道での時間は、僕らの中にある「子供っぽさ」を丁寧に抽出してくれるフィルターだった。誰かの失敗を笑い、贅沢な朝食に舌を出し、深夜までくだらないゲームに没頭する。効率や意味とは無縁な時間は、日々の生活で削ぎ落としていた自分自身の輪郭を取り戻す作業だった。10月の花蓮の風は心地よく、そして少しだけ寂しくて、だからこそ僕らはもっと強く、お互いの肩を叩き合った。

チェックアウトの時、ロビーの壁に残った誰かの手の跡が、なんだか誇らしげに見えた。

  • 10月の花蓮は朝晩が冷えるので、薄手のジャケットを一枚持っていくのが正解。
  • 駅前なので、到着してすぐに近くでレンタサイクルを借りて、風を切って走ってみて。

近くのグルメ・スポット

来成排骨麺

來成排骨麺は花蓮市中正路にある1948年創業の老舗小吃店で、独特の排骨酥(リブスーの唐揚げ蒸し)とコラーゲンたっぷりの豚足が看板です。排骨酥は揚げてから蒸すことで外はカリッとし、甘辛クリアなスープと合わさり、豚足はプリプリとした弾力ある食感。この二品を合わせた組み合わせは、地元の食通や観光客が必ず頼む定番メニューです。店内では内用席とチャイルドシートを用意。2025年に移転して駐車が便利になり、家族や友人との会食に最適です。

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公正包子

公正包子は花蓮市の老舗小吃店で、厚めの甘みある皮が特徴の小籠包で有名です。1個約5台湾ドルで、手作り調味の豚肉餡を包み、パンチが欲しい方は自家製唐辛子ソースを。小籠包以外にも蒸餃、湯包、肉羹麺、酸辣麺、貢丸湯、アイス豆乳、紅茶を取り揃え。2023年末に仁愛街と成功街の角へ移転し、人気の「廟口紅茶」の向かいに。小さな店構えですが地元民と観光客の長蛇の列が絶えず、花蓮に来たら外せない必食スポットです。

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公正街包子店

公正街包子店は花蓮市街の40年以上続く老舗小吃で、厚皮の小籠包と蒸餃が看板です。生地は手で延ばして柔らかくモチモチ、ほんのり甘く、シンプルな味付けの肉汁あふれる豚餡を包みます。蒸餃、湯餃、肉羹麺、酸辣麺、貢丸湯、アイス豆乳、紅茶なども提供。2023年末の移転後も人気は健在で、行列は減りましたが花蓮の必食小吃として外せません。価格も手頃で、小籠包は1個約5〜7台湾ドル、気軽に食べられる手軽さが魅力です。

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周家蒸餃

周家蒸餃小籠包は花蓮市の公正街にある老舗で、50年近くにわたりその場で包んで蒸す蒸餃と小籠包が看板です。3種類の蒸餃、手作り小籠包、酸辣湯、肉羹湯、ルーロー飯など多彩なメニューを取り揃え、24時間営業。朝食、ランチ、ディナー、夜食とどんな時間でも利用できます。蒸餃は10個で約30台湾ドル、小籠包は10個で約40台湾ドルと手頃で味も鮮やか。長蛇の列が日常で、地元民と観光客双方の必訪グルメスポットです。

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