12月の台東、家族の記憶を奏でる5つの音
濡れた足がタイルの上を叩く「パタパタ」という高く弾むような音。次男がプールへ行きたいと興奮して騒ぎ、バスタオルをマントのように羽織って廊下を駆け抜けていく。塩素の淡い香りと、朝のひんやりとした空気が混じり合う中、その音は、大人が緻密に立てた旅の計画が心地よく崩れ始めた合図のように聞こえた。「もう行くの?」と笑いながら、私は彼の後を追った。
朝食の海鮮粥にスプーンが触れる、かすかな金属音。娜路彎銀河酒店のレストランに漂う出汁の香りと、湯気の向こうに広がる穏やかな景色。地元の食材が詰まった温かい粥を口に運ぶとき、隣で長女が「ねえ、この卵、茶色いよ!」と不思議そうに紅茶卵を眺めている。ふと気づくと、私の顎に粥がついていて、次男にクスクスと笑われていた。けれど、胃のあたりからじんわりと体温が上がる感覚が、凍えていた心をゆっくりと溶かしていくのがわかった。
深層海水プールの中で、耳まで深く浸かったときに訪れる、こもった静寂。1000年以上も太陽の光が届かなかったという深い海の記憶が、肌を包み込む心地よい圧力となって伝わってくる。水中の深い青に視界が染まり、遠くで子供たちの歓声がぼんやりと響く。それはまるで、喧騒から切り離された別の時間軸に漂っているような感覚で、親である私にだけ許された、贅沢な孤独のひとときだった。
客室の柔らかなベッドに身を沈め、耳に届くNintendo Switchのコントローラーを操作する「カチカチ」という速いリズム。大人が心地よい疲労感に包まれてまどろんでいる横で、子供たちは真剣な表情でチームの作戦を練っている。完全な静寂よりも、こういう適度な騒がしさがある方が、家族という形をはっきりと定義してくれる気がする。娜路彎銀河酒店のふかふかのリネンに包まれながら、私はそのリズムを子守唄のように聞いていた。
バルコニーの隙間から入り込む、12月の北東季風が鳴らす低い笛のような音。外気は19度。冷たい風が頬を撫で、夜のしっとりとした土の香りを運んでくる。けれど、部屋の中の暖かさと対比されることで、いま自分がこの場所にいるという実感が、指先の温度として鮮明に伝わってきた。風の音に耳を澄ませながら、私たちは明日もまた、この場所で笑い合えることを静かに願った。
黄金色の光が部屋を満たし、家族の寝息だけが静かに重なっている。
- 地元の食材をふんだんに使った朝食の海鮮粥は、冷えた体にゆっくりと染み渡ります。
- 深層海水プールでの時間は、心身をリセットし、深い安らぎを得る特別なひとときになるはずです。