5年後の私たちへ。覚えてる?あの10月のこと。何の計画もなく台東に行こうって決めて、大人としての振る舞いを全部どこかに忘れてきた、あの旅のこと。今頃私たちは、もっと静かな話し方をしているのかもしれないけれど、あの時の騒がしさだけは、ずっと消えないでいてほしいな。
5年後もきっと、笑いながら思い出すこと
5メートルの吹き抜けが作り出す、絶妙に長いエコー
知本芙儷渡假酒店のロビーに足を踏み入れた瞬間、裸足で踏んだ石床のひやりとした温度に驚いた。それ以上に驚いたのは、私たちのくだらない冗談が、高い天井に跳ね返って3秒くらい遅れて戻ってくること。誰が日焼け止めを忘れたかという不毛な議論が、まるで大聖堂で説教を聞いているみたいに厳かに響いていて、自分たちの馬鹿さに耐えられなくて、みんなで同時に吹き出したあの瞬間。
10月の空気と、温かいプールという矛盾
水から上がった瞬間にだけ、秋が来たことを思い出させる、あの少しだけ鋭い風。でも、水の中にいるときは、世界がただ温かい毛布に包まれているみたいだった。信じられないだろうけど、私たちは「誰が一番長く潜っていられるか」なんていう、小学生みたいな賭けを本気でやっていたよね。結果的に、一番早く上がってきたやつが一番高い飲み物を奢るというルールに決まったけど、結局みんなで同じ味のジュースを飲んでいた。あの温度差が、なんだか心地よかった気がする。
180センチのベッドで繰り広げられた領土争い
精緻二人房のベッドは十分な広さがあったはずなのに、そこは、誰がどこの領域を支配するかという、静かな、けれど熾烈な領土争いの現場だった。充電ケーブルの長さで決定される国境線。お菓子の袋が散らばった中立地帯。シーツのパリッとした感触と、誰かが持ち込んだコンビニの袋がガサガサ鳴る音。あの狭い空間で、私たちは世界で一番自由だったし、同時に一番くだらないことで喧嘩していた。
湯気でメガネが曇る、朝の豆乳の時間
朝食会場に漂っていた、温かい豆乳の少しだけ甘い香り。地元の豆腐料理を口に運ぶたびに、体の中からゆっくりと温度が上がっていく感覚。メガネが真っ白に曇って、隣に座っている友人の顔が見えなくなったとき、誰かが「お前、誰だ?」ってボソッと言った。その拍子に、昨日の夜に誰が一番ひどい寝相だったかを吐槽し始めて、結局食事の内容よりも、お互いの欠点を数え上げる時間の方が長かった。あの朝の、緩やかな空気感だけは、今でも指先に残っている。
5年後にこの記憶を開いたとき
秋の風向きが変わる直前の、あの独特な静寂を覚えているだろうか。空気がわずかに重くなり、山の色がゆっくりと塗り替えられていく、あのタイミング。もしかすると、ホテルの部屋番号や、正確に何時にどこへ行ったかは忘れているかもしれない。でも、あの時感じた「ここにいてもいい」という、根拠のない安心感だけは、鮮明に残っている気がする。私たちは、完璧な旅をしたわけじゃない。むしろ、計画の半分は失敗していたし、道に迷ったし、言い合いもした。けれど、その不完全さが、パズルのピースみたいにちょうどよくはまって、私たちというグループの形を定義していた。あの不器用な時間こそが、事実上、この旅の正解だったんだと思う。
チェックアウトのとき、テーブルの上に忘れられた、使い古しのルームキー。
- 知本火車站から無料シャトルバスを使って、あえて目的地のない散歩に出かけること。
- 地元の豆腐店で、甘い豆花を食べて、誰が一番贅沢な食べ方をするか競い合うこと。