← 戻る ホテルラフォーレ那須

冷たい床に、誰かの足音が重なるまで

那須の森に溶け込む、家族の記憶を奏でる五つの音

1. 「見て見て!」という突き抜けるような高い声と、裸足が木の床を叩く乾いたリズム。75.5平米の広々とした空間を、一番上の子が弾むように駆け抜けていく。テラスの扉を開けた瞬間、鼻の奥がツンとするほど冷たく、澄んだ12月の空気が流れ込み、冬の森の香りが部屋を満たした。その鋭い冷たさが、かえって「今、私たちはここにいる」という家族の輪郭を鮮明に描き出してくれる。

2. ぽちゃぽちゃと、乳白色の柔らかなお湯が跳ねる音。温泉の中で、下の子が自分の足の指を魚に見立てて大騒ぎし、私はその無邪気な笑い声に心地よく耳を傾けていた。大人の肩まで浸かるお湯のずっしりとした重みと、頭上に触れる冬の冷気が、絶妙なコントラストとなって心身を解きほぐしていく。完璧な静寂などなくても、この賑やかさが愛おしいと感じるのは、きっとホテルラフォーレ那須という包容力のある空間に身を置いているからだろう。

3. カチャカチャと、地元の色鮮やかな野菜が皿に盛られる軽やかな音。那須高原の土の力強さを蓄えた野菜は、噛むたびに大地の滋味が口いっぱいに広がる。誰が一番大きなジャガイモを食べるかで小さな口論が始まったが、結局はみんなで顔を見合わせて笑い、温かな湯気を頬張っていた。それは単なる食事ではなく、冬の高原の温度そのものを体に取り込んでいるような、満ち足りた時間だった。

4. 窓の外で、冬の風が低く、深く唸る音。コテージの厚い木の壁が、外の厳しい寒さを遮断し、守られた聖域のような安心感を与えてくれる。暖房の小さな駆動音が、静まり返った室内の温もりをいっそう際立たせていた。ふと見ると、下の子が浴衣をマントのように羽織り、裾を踏んで派手に転んでいた。その拍子に漏れた、屈託のない笑い声が、部屋の隅々まで心地よく波紋のように広がっていく。

5. 重なり合う、深く穏やかな呼吸の音。セミダブルのベッドを並べて、家族全員で潜り込んだ大きな布団の中は、世界で一番安全な場所だった。誰が誰の足を蹴ったのか、誰が布団を独り占めしているのか、もはや重要ではない。ただ、お互いの体温がゆっくりと溶け合い、意識が心地よい眠りに誘われていく。この密度の高い静けさは、どんな名曲よりも贅沢な、家族だけの周波数なのだと感じた。

最後の一人が眠りについた後、窓の外で小さく瞬くイルミネーションだけが、静かに呼吸していた。

  • 子供たちが裸足で走り回れるフォレストコテージの広いリビングで、あえて時計を忘れ、何もしない贅沢な時間を過ごしてほしい。
  • 温泉で芯まで温まった後、冷えた体に地元の温かい野菜スープを流し込み、高原の冬の恵みをゆっくりと味わってほしい。