JR九州ホテル 長崎

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1月 couple U
21

指先でなぞった霧の向こう側

JR九州ホテル 長崎のDELUXE TWINに流れていた、あの独特な色彩の記憶が今も鮮明だ。中国の赤と西洋の緑。相反するはずの二つの色が、洗練された空間の中で不思議と調和していた。それはまるで、違う場所で育った二つの水滴が、ゆっくりと近づき…

4月 couple U
32

指先に残った、ほんの少しの塩気

しっとりと湿り気を帯びた春の朝の空気が、頬を優しく撫でていく。JR九州ホテル 長崎での目覚めは、心地よい静寂に包まれていた。エレベーターで5階のレストラン「うまや」へ降りるまでの短い時間、靴底が厚いカーペットに吸い込まれる柔らかな音だけが耳…

5月 family U
50

赤い絨毯の上に、小さな靴が脱ぎ捨てられていた

深紅の絨毯:シンプルモダンなグレーの空間に、不意に現れる鮮やかな赤。足の裏に伝わる密やかな弾力と、心地よい厚みが、旅の緊張をゆっくりと解きほぐしていく。その色は、静まり返った部屋に刻まれる心拍数のように、空間に生命力を吹き込んでいた。次男が…

5月 friends U
19

午前2時の赤い壁と、止まらない笑い声

「3人で1部屋、テトリス作戦」 指先に触れるリネンのひんやりとした質感と、かすかに漂う洗剤の清潔な香り。スーペリアダブルという限られた空間に3人で潜り込むのは、まるで精密なパズルを解くような感覚だった。「ここ、俺の陣地な」なんていう小さな領…

7月 family U
19

小さな手が、私のシャツの裾をぎゅっと掴んでいた

7月の長崎は、街全体が巨大な蒸し器にかけられたかのような、濃密な湿気に包まれている。肌にまとわりつく重たい空気の中、呼吸をするたびに肺の奥までじっとりと湿り気が流れ込んでくる。駅の改札を出た瞬間、長男の「暑い!」という叫び声が響き、次男が私…

8月 couple U
41

部屋の赤と、隣で聞こえる呼吸の音

客室のアクセントカラーに配された、深い赤色のファブリック。指先でゆっくりとなぞると、わずかにざらつきのある織り目が心地よく、夏の湿り気を帯びた肌に静かに寄り添う。白を基調としたシンプルモダンな空間の中で、その赤だけが、まるで澄んだ水に落とし…

8月 friends U
31

午前2時のコンビニ袋が鳴らす音

8月の夜気は重く、肌にまとわりつく湿気が、祭りの喧騒と共に肺の奥まで入り込んでいた。浴衣の生地が擦れるカサカサという乾いた音と、遠くで弾ける花火の火薬の匂いが、まだ鼻腔の奥に鮮明に残っている。JR長崎駅東口からわずか数分、JR九州ホテル 長…

10月 friends U
39

赤い壁の隣で、誰かが小さく笑った

指先に触れたルームキーのひんやりとした金属の質感に、ようやく旅が始まったことを実感した。チェックインを済ませて部屋に足を踏み入れた瞬間、視界に飛び込んできたのは鮮やかな赤の壁。それは静まり返った空間の中でだけ低く鳴り響くベース音のような、不…

11月 couple U
22

肩と肩の間に、ちょうどいい隙間があった

マフラーの折り目に、小さな枯れ葉がひとつだけ挟まっていた。それに気づいて指先で弾いたとき、11月の長崎の空気は、少しだけ重たく、けれど心地よい湿度を帯びていた。チェックインを済ませ、部屋に戻ってから、私たちは買っておいたカステラを半分に分け…

11月 family U
16

赤い部屋に溶けていく、小さなあくび

ふわりと漂う出汁の香りが、まだ半分眠っている意識をゆっくりと呼び起こす。JR九州ホテル 長崎の5階にあるレストランに足を踏み入れると、そこには「家族という名のチーム」による、静かながらも激しい戦場が広がっていた。銀ヒラスの西京焼きが焼ける香…

12月 family U
26

赤い絨毯を、小さな靴がリズムよく踏んでいた

12月の長崎駅東口。頬を刺すような冷たい風が吹き抜け、子供たちの鼻先がほんのり赤くなっている。重いスーツケースのキャスターがアスファルトを叩く乾いた音が、冬の澄んだ空気に鋭く響き、どこか急かされるような心地がした。上の子は「もう疲れた」と何…

12月 friends U
37

赤い壁に溶けた、深夜二時の言い訳

足元を通り過ぎたレシートが、冬の冷たい風に煽られて不規則なリズムで舞っている。それを追いかける気力もなく、私たちはただぼんやりと、灰色に染まった夜道を眺めていた。12月の長崎は、肺の奥まで凍りつくような鋭い空気が漂い、吐き出す息は白く濁って…