← 戻る ダイワロイネットホテル 神戸三宮PREMIER

氷がぶつかる音と、地図を巡るくだらない言い争い

氷がぶつかる音と、地図を巡るくだらない言い争い

5年後の私たちへ。神戸の7月、肌にまとわりつくような重い湿気と、港から運ばれてくる潮風に混じった夏の匂いを、まだ覚えているかな。予定表の文字は消えても、ホテルの冷たい床の感触と、お腹が痛くなるまで笑い転げたあの瞬間の空気だけは、今も指先にしっとりと残っている気がする。

5年後も不意に蘇る、あの夏の断片たち

帯の硬さと、誰が先に転ぶかという賭け
糊のきいた浴衣の生地が、汗ばんだ肌にぴたりと張り付く不快感。けれど、帯を締めすぎて呼吸が浅くなっていることに気づいたとき、私たちはそれを「旅の儀式」のように楽しんでいた。「ねえ、誰が先に歩き疲れてつまずくか賭けない?」なんて、くだらない提案に笑い合った、あの不格好な行進。締め付けられた身体が、かえって心の緊張を解いてくれた不思議な時間だった。

港からホテルまで、7分間の湿度と光
みなと神戸祭の花火が夜空を鮮やかに焦がした後、JR三ノ宮駅へ向かう道すがら、潮風に混じって誰かの甘い香水の匂いがふわりと鼻をくすぐった。街灯のオレンジ色の光が濡れた路面に反射し、まるで光の回廊を歩いているような心地だった。ダイワロイネットホテル 神戸三宮PREMIERに辿り着き、自動ドアが開いた瞬間に流れ出したロビーの冷気が肌を刺したとき、「あ、生きてた」と深く息を吐いたあの解放感は、今でも鮮明に思い出せる。

広い客室という、ちょうどいい距離感の贅沢
部屋に入った瞬間、誰がどこにスーツケースを置くかで小さな言い争いが始まった。けれど、結果的に全員が大の字になっても足がぶつからないほどのゆとりある広い客室に、私たちはすぐに諦めてベッドにダイブした。ひんやりとした白いシーツの感触と、洗いたてのリネンの香りが、火照った身体を優しく包み込んでくれた。あの冷たさこそが、熱帯夜における唯一の正解だったと思う。

深夜2時の、セミセパレートな静寂に浸って
バスとトイレが分かれているセミセパレートの構造が、旅の夜に絶妙な「個」の時間を与えてくれた。誰かがシャワーの激しい音に包まれている間、私は一人、部屋の明かりを落として静かに旅の余韻に耽ることができた。「明日はどこへ行こうか」という期待と、心地よい疲労感。ドアが閉まる小さな「カチッ」という乾いた音が、賑やかな旅の喧騒の中に、贅沢な空白の時間を刻み、心を凪の状態に戻してくれていた。

5年後の封筒をそっと開いたとき

たぶん、どの店で何を食べ、どのルートで北野異人館へ向かったかという旅の行程は、記憶の隅で淡く薄れているだろう。けれど、冷房が効きすぎた部屋で、濡れた髪を乾かすドライヤーの騒がしい音に混じって交わした、とりとめもない会話の温度だけは、決して消えないままだと思う。ダイワロイネットホテル 神戸三宮PREMIERのモダンで洗練されたインテリアが、私たちの乱雑に散らばった感情を、静かに、そして丁寧に整理してくれた。あの場所で過ごした穏やかな時間が、私たちに「また明日も一緒にいられる」という静かな確信をくれたのだと思う。

グラスの中でゆっくりと溶けていく、最後の一粒の氷。

  • 浴衣を着るなら、歩きやすいサンダルを。神戸の坂道は、想像以上に足首を試してくるから。
  • チェックイン後は、まずロビーで冷たい飲み物を。火照った体に、その一口が一番効く。