← 戻る 伊蝶モーテル

私たちの「迷走」を静かに見守っていた5つのもの

激しく泡立つジャグジー:湯気で視界が真っ白に塗りつぶされ、まるで雲の中にいるような錯覚に陥る。伊蝶モーテルのジャグジーで、誰が先に浸かるかで始まった子供じみた言い争いは、いつしか「誰が一番面白い潜り方をするか」という選手権に発展した。ジャンケンで負けた者が「温度調節係」に任命されるという不条理なルールに、部屋中に高い笑い声が響き渡る。温かな湯が、街を歩き尽くして鉛のように重くなった足の疲れを、ゆっくりと、けれど確実に溶かし出していく感覚が心地よかった。

眩いばかりの黄金の壁紙:中東の宮殿を彷彿とさせる、過剰なまでの金色の装飾。その壁に背を預け、私たちは全力で「意識高い系」のポートレートを撮ろうと試みた。しかし、豪華すぎる背景に気後れしたのか、誰一人として決まったポーズが取れず、最後には競い合うように全力の変顔を披露し合うという、ひどく贅沢でくだらない時間の使い方をした。壁の金色の光沢が、私たちの滑稽さを残酷なほど鮮やかに照らし出していたが、その不調和こそが最高に愉快だった。

低く唸る冷蔵庫のモーター音:深夜2時、静まり返った部屋に響く単調な機械音。空腹に突き動かされて開けた扉からは、冷たい白光と共に、地元の名物である塩卵黄パイの濃厚な香りが漂ってきた。冷えた缶飲料を片手に、「誰が一番多く食べられるか」という、大人の面影もない賭けに興じる。サクッとした外皮の快い食感と、口いっぱいに広がる塩味と甘みの調和が、疲労困憊の体に染み渡る。冷蔵庫の唸るようなリズムが、私たちの密やかな深夜の宴に拍手を送っているようだった。

深く沈み込む白いマットレス:重力に抗うことを諦め、身体がゆっくりと、けれど深く吸い込まれていく。洗い立てのシーツからは、かすかに洗剤の香りと、街中でまとった線香の残り香が混ざり合って漂っていた。誰かが寝ぼけて隣の人の腕を枕にし、もう一人が無意識に足で誰かを蹴飛ばす。そんな混沌としたもつれ合いの中で、私たちは意識を手放した。そこには、完璧な睡眠よりもずっと価値のある、互いの存在を認め合う絶対的な安心感があった。

使い古されたプラスチックのリモコン:寝る直前まで、何を観るかで激しい議論が交わされた。高速で切り替わるチャンネルの光が、暗い部屋を不規則に点滅させ、結局たどり着いたのは、誰も内容を理解できない海外のバラエティ番組だった。手のひらに伝わる、少しだけベタつく安っぽいプラスチックの質感。それを握りしめたまま、「明日、何時に起きる?」という問いかけに誰も答えず、一人、また一人と、深い眠りの海へ落ちていった。

もしこの部屋が口をきけるとしたら

きっとこの部屋は、私たちを見て「なんて効率の悪い連中なんだ」と呆れているだろう。伊蝶モーテルの豪華な設備を、ただの「ふざけ合うための背景」にした私たちを。けれど、その贅沢な無駄こそが旅の正解だった。「ここ、王宮みたい」と笑い合い、予定の半分も回れなかった空白を、どうでもいい会話で埋めた。豪華な空間という外枠があったからこそ、さらけ出した私たちの「だらしなさ」が愛おしく感じられた。記憶に残るのは、立派な建築よりも、シーツの上で転げ回った泥臭い時間なのだから。

窓の外では、春の夜風が街の喧騒を連れて静かに通り過ぎていった。

  • 塩卵黄パイは、買いたての熱さもいいが、冷えた部屋でゆっくり味わうのが至高の贅沢。
  • 媽祖の行列を巡るなら、迷わず履き慣れた靴を。それがこの旅で唯一の正解だった。

近くのグルメ・スポット

ABees

ABees(旧・佳風蜜)は彰化市彰水路215号にあるカフェで、コーヒーと工夫を凝らしたクレープ・ガレット・デザートを中心に提供しています。看板メニューは花粉コーヒー、スパイストマトズッキーニガレット、ケールと山芋のガレット、シナモンりんごはちみつクレープで、一人あたり約400元が目安です。営業時間は非公開ですが、評価が高くメニューが豊富なことから、地元で人気の行列店となっています。

55

Chris Cafe

Chris Cafeは台中西屯区の七期エリアにひっそりと構える隠れ家的な香港式喫茶店で、家庭料理風の広東料理を提供しています。看板メニューは周星馳映画で有名になったチャーシュー卵乗せご飯『黯然銷魂飯』と、カロリーたっぷりの『ピーナッツフレンチトースト』。店内は静かでゆっくり過ごせ、大遠百や七期商業エリアの買い物ついでに立ち寄るのに最適です。人気メニューを逃さないよう、事前予約をおすすめします。

75

不二坊

不二坊は彰化県で唯一、伝統的な卵黄酥(蛋黄酥)を専業とする老舗で、創業約50年の歴史を持ちます。ラードとバターで黄金色に焼き上げた層生地の中に、しっとりとした塩漬けアヒルの卵黄と滑らかな小豆餡が包まれています。中秋節や節句には長蛇の列ができ、彰化を代表するお土産として知られています。卵黄酥以外にも、緑豆パイや老婆餅など昔ながらの菓子も販売。オンライン注文は不可で、店頭で直接並んで買うしかありません。

61

五鮮級鍋物専門 鹿港旗艦店

五鮮級鍋物専売の鹿港旗艦店は、彰化県鹿港町中正路496号にある人気の鍋料理店です。おしゃれな内装と落ち着いた照明で、多様なスープとオーダー式メニューを提供しています。看板は大盛りの肉皿と、ご飯・ドリンク飲み放題。営業時間は11時から深夜2時までで、夜遅くでも熱々の鍋が楽しめます。一人あたり250〜300元とコストパフォーマンスに優れ、彰化の必食鍋ランキングに頻繁にランクインしています。

67