浜千鳥の湯 海舟
ホテル情報
- 住所 日本、〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町1698−1
- 電話 +81 739-82-2220
- 評価 · 出典:Google ↗
泊の記事
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二人の足の裏に残った春の温度
足の裏が温かくて、思わず目を閉じた。それは床の温度じゃなかった。数時間前まで誰も触れていないはずの、木のぬくもり。浜千鳥の湯 海舟の「暁の抄」に足を踏み入れた瞬間、床は生きていた。春分の日を過ぎたばかりの午後、この部屋には日差しが直接降り注…
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浴衣の裾を何度も踏んでいた、あの午後
少し大きすぎる浴衣の裾を、下の子が何度も踏んづけては、「おっとっと」と前のめりに転びそうになる。畳のい草が放つ、どこか懐かしく青い香りが鼻をくすぐり、裸足で触れる床のひんやりとした感触が、心地よく足裏に吸い付いている。「見てて、僕、侍みたい…
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カーテンを開けたら海の匂いがした
駅前でタクシーを拾った時、運転手が「白浜は桜の季節ですよ」と教えてくれた。私たちは「桜を見に行こう」と決めていたはずなのに、誰かが「それより温泉で温まりたい」と呟き、結局桜は見なかった。タクシーの窓から見える海は、灰色の布を波打たせたように…
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浴衣の袖が、小さな手に触れる音
結露して指先に冷たい水滴がつく、あの梅ジュースのグラス。チェックインして最初に触れたのは、その鋭い冷たさと、口の中に広がる甘酸っぱい記憶だった。七月の白浜は、空気が重く、肌にまとわりつくような湿り気がある。車から降りた瞬間、子供たちが「暑い…
11
波の音が、二人の空白を埋めてくれた夜
グラスの表面に結露した細かな水滴が、指先にひんやりと張り付く。チェックイン後、最初に出会ったのは、紀州名物の梅ジュースだった。一口含んだ瞬間、鋭い酸味が稲妻のように走り、その後を追うように濃厚な甘みがゆっくりと舌の上に広がっていく。その鮮や…
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畳の上に残った、小さくて温かい足跡
カラン、と氷が鳴る音。ラウンジで冷たいグラスの結露が指先に張り付く中、下の子が「これ、お薬の味?」と不思議そうに梅ジュースを覗き込んだ。甘酸っぱい香りが鼻をくすぐり、旅の始まりを告げる合図のように、日常の緊張で強張っていた肩の力がゆっくりと…