← 戻る ホテル・アンドルームス那覇ポート

肌に残った、洗っても消えない塩の粒

肌に残った、洗っても消えない塩の粒

記憶の断片を綴る、今日耳にした五つの音

1. ゆいレールの高く鋭い走行音。窓に顔を押し付けた上の子が「あ!あそこ変な看板がある!」と歓声を上げ、その無邪気な声が車内に響いた。湿り気を帯びた南国の風と、街の喧騒に飛び込む高揚感が混ざり合い、これから始まる旅の混乱への期待が、合図のように胸の奥で小さく震えていた。

2. ルーフトッププールに飛び込む、激しく鋭い水音。下の子が派手に水しぶきを上げ、私のワンピースを瞬時にびしょ濡れにした。日差しで熱せられたコンクリートの匂いと、ツンとした塩素の香りが鼻をくすぐる。大人の優雅なリゾート気分はどこへやら。けれど、子供たちの瞳に映る突き抜けるような青い空が、あまりに鮮やかで、私はただ笑っていた。

3. サウナストーブに水をかけた瞬間の、激しい「ジュッ」という蒸発音。ホテル・アンドルームス那覇ポートのプレミアツインにある個室サウナで、子供たちが寝静まった後の深い静寂に、その音だけが鮮明に響く。ととのいチェアに身を沈め、冷水で肌を締め付けた後、心の強張りがゆっくりとほどけていく。親である前に、ただの自分に戻れる、贅沢な空白の時間だった。

4. 遠くから地鳴りのように聞こえてくる盆踊りの太鼓の音。浴衣を纏った子供たちが歩く、ぺたぺたというサンダルの軽い足音。祭りの喧騒と、夜風に混じる線香のような香りに飲み込まれそうになりながら、誰の手も離さないよう強く握りしめた。手のひらに伝わるじっとりとした湿り気は、不安ではなく、切ないほどの深い愛着だったのだろう。

5. ロフトルームの階段を登る、小さく不規則な足音。一日中遊び尽くした子供たちが、心地よい疲労感とともに深い眠りに落ちる直前の、静かな呼吸の音。バスルームからベッドまで、裸足で歩いたタイルのひんやりとした温度が、火照った体を鎮めてくれる。この限られた空間が、今夜だけは私たち家族を包み込む完璧な城になった。

夏の夜風に、誰かの笑い声と潮の香りが溶け込んでいた。

  • 夕暮れ時、ルーフトッププールから那覇の街に灯りがともる瞬間を、ただ静かに眺めてみてください。
  • コンビニで買った地元の飲み物を、ロフトルームの心地よい静寂の中で、ゆっくりと味わってみてください。