← 戻る GRGホテル那覇

カーテンの隙間から、光が少しだけ踊っていた

カーテンの隙間から、光が少しだけ踊っていた

もし、この部屋を予約するかどうか迷っているのなら。ただ、心地よい静寂に身を任せたいと思っているあなたへ。計画を立てるのが苦手な二人が、ふと辿り着いた場所で、呼吸を合わせるための時間を提案させてください。


光が屈折して、部屋の隅に溜まる時間

指先に触れる、少しざらついた木目の質感。GRGホテル那覇の部屋に入ったとき、まず耳に届いたのは、空気清浄機が刻む一定の低いリズムでした。それは心地よいノイズとなって、外の街の喧騒を遠ざけてくれる。プレミアムツインの角部屋は、光の入り方が少しだけ特殊で、窓から差し込む3月の陽光が、ガラスを通り抜けて部屋の隅に溜まっていく。プリズムを通した後の光が床に淡く広がっているのを見て、ここなら、無理に会話を埋めなくてもいい気がしました。

セミダブルのベッドが二つ。その間に流れる空白の距離は、ちょうど今の私たちにふさわしい。広すぎず、狭すぎない。30平米という空間は、数字で見るよりもずっと、心に余裕をくれる形をしています。高層階から見下ろす那覇の街並みは、どこか遠い国の模型のように静か。私はチェックインのとき、格好をつけてスマートに振る舞おうとしたけれど、スーツケースのハンドルがうまく引けなくて、フロントの方に少しだけ変な顔をされた気がします。でも、そんな小さな失敗さえ、この部屋の静けさの中では、心地よい笑い話に変わる。私たちはただ、柔らかいシーツに体を沈め、窓の外でゆっくりと形を変える雲を眺めていました。完璧な旅ではなくていい。ただ、隣に誰かがいて、同じ光を眺めている。それだけで、十分な気がするのです。


雨上がりの街と、島豆腐の温度

翌朝、レストランで出会った島豆腐の、ほんのりと温かい温度。口の中で崩れる豆腐の柔らかさと、出汁の優しい味が、眠っていた身体をゆっくりと起こしてくれます。チャンプルーの少し濃いめの味付けが、旅の始まりを告げる合図のように感じられました。お腹が満たされると、不思議と、昨日まで不安だったことが、どうでもよくなってくる。私たちはそのまま、美栄橋駅からホテルまで続く道を、あてもなく歩き始めました。

3月の那覇は、湿り気を帯びた風が頬を撫でていきます。雨上がりのアスファルトから立ち上がる、あの特有の匂い。国際通りへ向かう道すがら、ふと手が触れ合ったとき、どちらからともなく指を絡めた。誰に教えるでもない、二人だけの小さな秘密を共有しているような感覚。桜の開花予想を言い合いながら、まだ冬の名残がある風に肩をすくめる。目的地を決めずに歩くことは、ある種の贅沢かもしれません。私たちは、ただ一緒にいることの心地よさを、歩幅を合わせることで確かめ合っていた。もしかすると、私たちはまだ、お互いのことをすべて理解しているわけではない。けれど、この街の緩やかなリズムに身を任せていると、分からないままでもいい、という安心感が胸に広がっていく。それは、正解を探すことよりもずっと、大切なことのように思えました。


松山の街に溶け込む、ある3月の午後から。
  • 朝食の島豆腐は、ぜひ温かいうちに。沖縄の家庭の味が、心まで緩めてくれます。
  • 美栄橋駅からホテルまで、あえて寄り道をしながら歩いてみて。街の呼吸が聞こえてきます。