← 戻る ダイワロイネットホテル 名古屋太閤通口

小さな指についた、味噌カツの甘い匂い

小さな指についた、味噌カツの甘い匂い

名古屋の9月は、まだ夏の熱気がねっとりと肌にまとわりつく。駅を降りた瞬間、湿った風の中にふっと秋の気配が混ざり合ったとき、私たちはダイワロイネットホテル 名古屋太閤通口へと向かっていた。家族での旅というのは、ある種のチーム作戦のようなものだ。誰かが靴紐をほどき、誰かが違う方向へ走り出し、大人はそれを追いかける。そんな不揃いなリズムを抱えたまま、私たちは都会の喧騒に抱かれたこの場所に辿り着いた。

家族の輪郭をなぞった、5つの記憶

オーバーヘッドシャワーの雨:天井から降り注ぐお湯が、心地よいリズムで肩を叩く。バスルームいっぱいに白い湯気が立ち込め、石鹸の清潔な香りが鼻をくすぐった。下の子が「お部屋の中に雨が降ってる!」と大はしゃぎし、わざと水しぶきを上げては笑い声を上げる。その温もりに包まれているとき、旅の緊張がゆっくりとほどけていくのを感じた。最初にこの「室内雨」に気づいて歓声を上げたのは、好奇心旺盛な下の子だった。

ダブルベッドの深い沈み込み:154センチの幅に、無理やり四人が潜り込む。パリッとしたシーツが次第にぐちゃぐちゃになり、誰の足が誰の背中にあるのか分からない混沌とした状態。けれど、マットレスが適度に体を支えてくれる安心感と、密着した体温が心地よく、次第に家族全員の呼吸が同期していく。一番端っこで、小さく丸まって眠っていた上の子が、心地よさそうに寝息を立て始めたとき、この部屋が本当の居場所になった気がした。最初にこの心地よさに身を委ねたのは、疲れ果てていた上の子だった。

戦場のような大型デスク:本来は仕事のための場所なのだろうけれど、ここでは「おやつ作戦会議室」に変わった。コンビニで買った地元の菓子の塩っぱい香りが漂い、広げた地図の上にポテトチップスの欠片が散らばっている。それでも、この広い面があったからこそ、家族全員が肩を寄せ合って明日の行き先を話し合えた。一番にデスクの「広さ」を気に入り、自分の特等席を陣取ったのは上の子だった。

駅まで歩く四分間の振動:ホテルからJR名古屋駅太閤通口まで、歩いてわずか四分。アスファルトを叩く靴音と、遠くで聞こえる車のクラクションが都会の鼓動のように響く。子供たちの小さな手が、私たちの大きな手をぎゅっと握りしめている感触が、心まで温めてくれる。その短くも濃密な距離の中で、喧騒さえも心地よいBGMのように聞こえた。信号待ちの間に、ふと空を見上げて「お月様が出てるよ」と教えてくれたのは、一番下の子だった。

夜風に揺れるススキの白:街の隙間に、いつの間にか秋が根を張っていた。月光を浴びて白く光るススキの穂が、夜風に吹かれてしなやかに弧を描いている。サラサラという静かな音を聞いていると、旅先で予期せぬトラブルに直面しても、なんとなく笑い飛ばして歩き続ける私たちの姿に似ている気がした。風の音に耳を澄ませて、静かにその揺らぎを眺めていたのは、旅の疲れを癒やそうと隣に座っていたパートナーだった。

窓の外に広がる名古屋の夜景が、ゆっくりと黄金色に溶けていく。

  • 名古屋城まで歩く道すがら、地元の人しか知らないような小さなお店を覗いてみるのがおすすめ。
  • 朝食ビュッフェでは、子供と一緒に「一番おいしい組み合わせ」を探すゲームをしてみてください。