SETRE Glovershouse NAGASAKI (セトレグラバーズハウス長崎)
ホテル情報
- 住所 日本、〒850-0931 長崎県長崎市南山手町2−28
- 電話 +81 95-827-7777
- 評価 · 出典:Google ↗
泊の記事
ぬるくなった紅茶と、窓の外の静かな呼吸
入り口に置かれたスリッパが、ほんの少しだけ斜めにずれていた。誰かが急いで脱いだのか、あるいはただ丁寧に揃えようとして、最後の一歩で迷ったのか。その小さな不整合が、不思議と心地よかった。完璧に整えられた空間よりも、どこか隙間がある場所の方が、…
坂道で、誰かの笑い声が雨に溶けた瞬間
重厚な客室のドアが、秘密結社に招き入れられたみたいにカチリと音を立てて開いたとき、私たちは一瞬だけ息を止めた。誰かの人生に迷い込んだんじゃないかという、心地よい不安。でも、そこにあったのはただの静かな部屋と、外の寒さを忘れさせる温もりだった…
小さな靴が床を叩く音
指先に触れたルームキーの金属的な冷たさ。それが、私たちの旅の始まりだったのかもしれない。子供が「どうして?」と問いかけてから、大人が「それはね」と答えを出すまでの、あのわずかな空白の時間。家族旅行というものは、そんな小さなラグの積み重ねでで…
指先に残った、レースのカーテンの影
セトレグラバーズハウス長崎 / SETRE GLOVER’S HOUSE NAGASAKIの重い扉を開けた瞬間、外の喧騒がふっと遠のき、代わりに古い木材の深い温もりと、心を解きほぐす微かなアロマが混ざり合った香りが鼻をくすぐった。案内された…
石畳の傾斜で、少しだけ重心が崩れた日
5年後の私たちへ。完璧なプランなんて持っていなかったけれど、5月の長崎に惹かれてなんとなく集まった、あの不完全な旅の心地よさを覚えているかな。計画通りにいかないもどかしささえ、今は愛おしい記憶。今のあなたにも、あのゆるやかな時間の流れが届き…
ぬるい風と、結び直した帯の感触
指先に触れる麻のざらつき。7月の長崎は、空気がそのまま皮膚に張り付くような、濃密な湿度に包まれている。けれど、その重苦しささえ心地いいと感じるのは、きっと隣で同じように「暑いね」と笑い合っている誰かがいるからだろう。セトレグラバーズハウス長…
氷が溶ける音だけが、部屋に満ちていた
掌に伝わるグラスの結露がじっとりと冷たく、それが今の私たちには心地よい。八月の長崎は、空気が重い。肌にまとわりつく湿度は、まるで街全体が深い呼吸を止めて、静かに何かを待っているかのようだ。大浦天主堂からセトレグラバーズハウス長崎 / SET…
氷が溶ける音だけが、部屋に満ちていた
8月の長崎。肌にまとわりつく湿度は、まるで濡れたタオルを肩に掛けられたように重く、呼吸をするたびに街の熱気が肺に流れ込んでくる。路面電車のガタゴトという音と、時折響く鐘の音が、夏の午後の気だるさを加速させていた。駅を降りた瞬間、上の子の白い…
パジャマのままで見た、青い朝の光
午前六時の光は、冷たく、けれどどこか慈しむような柔らかさを湛えている。セトレグラバーズハウス長崎 / SETRE GLOVER’S HOUSE NAGASAKIのDELUXE TWIN ROOMに差し込むその色は、深い海の色に似ていた。まだ…
鍵を回したとき、少しだけ空気が揺れた
指先に触れたドアノブの冷たさ。それが、日常から切り離される合図だった。地図アプリを閉じ、ただ潮風の匂いと遠くで鳴る鐘の音だけを頼りに歩いてみる。「ねえ、本当にこっちで合ってる?」という友人の不安げな声に、「正解なんて、後から作るものだよ」と…
指先が触れる直前の、あの温度
もし、今この部屋を予約しようか迷っているのなら。あるいは、相手に提案して断られるのが怖くて、ブラウザのタブを開いたままにしているのなら。そんなあなたへ、この手紙を書いています。正解なんてないけれど、ただ「そこにいた」という事実だけが、後で心…
窓に白く滲んだ、誰かの呼吸
指先が、冷たい真鍮のドアノブに触れる。その直後、部屋に足を踏み入れた瞬間に包み込まれるのは、わずかに湿り気を帯びた、陽だまりのような暖かい空気だ。下の子が靴を脱ぎ捨てるなり、裸足でフローリングを駆け出した。パタパタという軽やかな音が、高い天…