私たちの「大人の駄々」を静かに見守っていた5つの証人たち
プラスチックのカードキー:ひんやりとしていて、指先にわずかに食い込む鋭い角の感触。誰が持っているか分からなくなり、部屋の前で10分間だけ静かなパニックが起きたときの、あの絶望的な空気感と、結局誰かのポケットの底で丸まっていたことを知ったときの脱力感をすべて記憶しているはず。
もふもふのバスタオル:サウナに誰が先に入るかで、まるで国家予算を決定するかのような激しい議論が繰り広げられたときの、心地よい厚みと湿った温もり。熱気に当てられて、大人たちの理性が少しずつ溶けていった時間を、一番近くで吸い込んでいた。
ほうとうの大きな器:立ち上る濃厚な味噌の香りと、視界を真っ白に染める熱い湯気。あまりの満腹感に、さっきまでの言い争いが嘘のように、全員が同時に黙り込んだあの奇妙な静寂を、温かい底の方でどっしりと受け止めていた。
洗面所の大きな鏡:雨の中を歩きすぎて、前髪がぺったんこになった私たちの、ひどい顔。でも、それに気づいた瞬間に誰かが吹き出し、連鎖的に笑いが起きたときの、結露したガラスの曇り。かっこ悪い自分たちを肯定できた、あの数分間の幸福を映していた。
白くて柔らかい枕:深夜3時まで、答えの出ない人生相談や、今さら思い出した恥ずかしい記憶について語り合ったときの、頭の重み。誰かが寝息を立て始めたとき、残った二人が小声で笑い合った、あの密やかな夜の空気を、静かに押し返していた。
もし彼らが口を開いて、私たちの正体を暴露し始めたら
きっと彼らは、私たちのことを「騒がしくて、不器用で、でもどうしようもなく心地よい集団」と呼ぶだろう。6月の富士吉田市は、空気がひどく重かった。しとしとと降り続く雨が、街中の紫陽花を濃い青に染め上げていた。私たちの気分も、最初はそんな色をしていたのかもしれない。予定していたルートを間違え、靴の中までぐっしょりと濡れ、些細なことで言い合いになる。それはまるで、土壌の酸性度によって色を変える紫陽花のように、環境ひとつで簡単に不機嫌な色に染まってしまう、脆い関係性の証明だったという気がする。
けれど、リゾートイン芙蓉 河口湖インター店に足を踏み入れたとき、空気の温度がふわりと変わった。特に、あの「富士山溶岩の湯」に体を沈めた瞬間だ。黒々とした溶岩石のゴツゴツとした手触りと、芯から身体を締め付けるような熱いお湯。その圧倒的な熱量が、皮膚の表面だけでなく、心の奥にこびりついていた小さな苛立ちまで、じっくりと溶かし出してくれる感覚があった。「あー、もう無理」と誰かが呟いて、そのまま脱衣所で大の字になっていた。その情けない姿を見て、みんなで同時に笑った。サウナで限界まで汗をかき、外気浴で冷たい雨の匂いを吸い込んだとき、私たちの色は、深い青から、穏やかな紫へ、そして最後には、照れくさそうな淡いピンク色に変わっていった。
完璧な旅なんて、もともと必要なかったのかもしれない。むしろ、雨に打たれて、迷子になって、最後にお風呂で全部リセットする。そんな不完全な流れがあったからこそ、この場所での時間が、特別な手触りを持って記憶に残った。リゾートイン芙蓉 河口湖インター店という空間は、単なる宿泊場所ではなく、私たちのバラバラな感情をひとつにまとめてくれる、大きな器のような場所だったのだ。
雨上がりの夜、窓の外にぼんやりと浮かぶ富士山の稜線を眺めながら、私たちはまた次の「心地よい失敗」を計画し始めた。
- 溶岩風呂で芯まで温まった後は、キンキンに冷えた飲み物を。緩む身体に染み渡る快感は格別です。
- 富士急ハイランドへ挑むなら、早めにチェックインしてサウナで心身を整えるのが、最高の攻略法。